安化黒茶の基礎知識
1 黒茶とは
黒茶は、蒸す、煮る、炒るなど加熱処理した茶葉を微生物発酵という独特な発酵方法に作られたお茶。後発酵茶とも言います。中国雲南省のプーアル茶が有名です。 日本でもわずかではありますが、四国高知県の「碁石茶」や徳島県の「阿波番茶」などの黒茶が知られています。
2 安化黒茶とは
安化県内の茶葉を原料とし、安化特有の生産・気候環境の下で、殺青,揉捻,渥堆,乾燥等特有の荒茶工程を経て作られた安化荒茶原料を元に加工された黒茶散茶および緊圧茶です。
3 安化黒茶の種類:「三尖四磚千兩茶」
安化黒茶の主な種類は「三尖四磚千兩茶」という言い方があります。
まず三尖sānjiān
三尖は天尖tiānjiān、貢尖gòngjiān、生尖shēngjiānとのことです。
三尖は安化黒茶の中での上級品。この三種類の黒茶は生葉の熟度や大きさなどに基づいて分類され、基本的に「穀雨頃」に茶を摘み、加工されます。
荒茶の外観は、艶があり、水色はオレンジ色。茶ガラは「黄褐」です。
三尖の中に、「天尖」はトップクラスで、「天尖」と「貢尖」は古くから皇帝への献上茶として使われています。三尖は散茶と緊圧茶両方あります。
次は四磚sìzhuān
「四磚」は
茯磚茶fúzhuān-cha、
黑磚茶hēizhuān-cha、
花磚茶huāzhuān-cha、
青磚茶qīngzhuān-cha
を指します。いわゆる「四大磚茶」です。(磚茶は茯磚茶だけではないですね)
「四磚」茶の生産地と加工地は安化県の他、湖南益陽・臨湘地区、四川省と湖北省も生産しています。(安化だけではないです)
茯磚茶はウイグル族が好む茶で「発花」という工程によって、[金花=冠突散囊菌」と呼ばれるカビが増殖し、独特な香り「菌花香」があります。
黑磚茶hēizhuān-cháと花磚茶huāzhuān-chá
両方とも湖南黒茶を原料とし、黑磚茶は荒茶3級と4級をブレンドして緊圧される一方、
花磚茶は、3級荒茶だけ使用。(「中国茶経」より)
原料の他、レンガに刻まれる文字や模様も違います。
「黑磚茶」には、磚茶の表面に「黑磚茶」三文字、裏に「湖南安化」四文字が刻まれており、花磚茶には、「中茶」の商標と「安化花磚」が書かれており、レンガの四辺は斜線のような花紋がプレスされています。(それで花磚かな)
また、花磚茶は、花巻茶(千両茶のこと)が大きくて重かったため、小さなサイズでつくられるようになったものです。
青磚茶(qīngzhuānchá)
別名:川字茶chuānzì-chá。産地は湖北省。原料は湖北老青茶。
清代の時代に蒲圻羊楼洞で作られていたため、「蒲圻羊楼洞磚pǔqí yānglóudòng -zhuān」とも呼ばれています。青磚茶は、主に「趙李橋茶廠」(現在、湖北磚茶の老舗)で生産されています。商品の磚茶の表面には「川」の字が刻まれているため、「川字茶」としても有名です。。
最後に「千両茶」。別名は「花卷茶huājuǎnchá」。
「安化黒茶」より(作者:伍湘安)花卷茶始名“百两茶”。即一卷(支)茶、净重合老秤一百两、始創于湖南安化江南一带。清道光元年(1820年)以前、陝西西商人駐益陽委托行桟匯款到安化購黑茶、或以羊毛、皮襖換購、因資金較少進貨不多、人称“滾包商”。受托行桟雇人下乡采辦茶葉原料、踩捆成包、叫“澧li3河茶”、随后踩成小圓柱形、是為“百两茶”。清同治年間、晋商“三和公”茶号在“百两茶”的基礎上選用較佳原料、增加重量、用棕与篾mie4捆压制成花卷、每支净重1000两(折合.27千克)、所以又称“千两茶”。
(簡訳:始まりは1820年陕西商人に注文されたことから。最初の注文は「百両茶」。当時“澧li3河茶”という。「千両茶」はその後(1868年~)晋商(山西の商人:茶号“三和公”)の委託で作られました。サイズが1000両ほど大きくなり、原料(茶葉の等級)も上質な荒茶を使うことにしました。包装に関しては、竹の葉に、棕櫚(シュロ)の皮を加え、足で踏みながら梱包し、重さ1000両のため「千両茶」ともよばれることになりました)
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